2021年6月21日、goFLUENT株式会社(以下、goFLUENT)は、企業の人材育成支援の一環として、オンライン・オンサイトを組み合わせたフォーラム 『goDREAM』 を開催いたしました。活気にあふれたその模様をレポートいたします。

『goDREAM』は、「次世代リーダーの育成」をテーマに、ビジネス・教育・スポーツという異なるフィールドからゲストをお招きし、講演や対談・Q&Aセッションを通じて、講師を含めた参加者同士の交流を目指したものです。

当日はオンラインを中心に、多種多様な業種・業界の企業各社から人事・人材開発部門の方々、約100名にご参加いただきました。また今回、オンサイト会場として、新しい旅行体験を提案する観光案内所『TRAVEL HUB MIX』のコミュニティスペースを、株式会社パソナ様よりご提供いただきました。『TRAVEL HUB MIX』は、パソナグループ本部ビル『JOB HUB SQUARE』の一角に位置し、観光の“場所”だけでなく、地域で魅力ある生き方・働き方をする“人”の情報を発信し、「地方創生」と「個人自立社会の実現」を支えています。(※オンサイト会場では、消毒・換気・座席間隔等、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底いたしました。)

今回は、「リーダーシップ」「ダイバーシティ」「カルチャー醸成」をテーマに、下記3つのセッションをご用意いたしました。

『自ら成長し夢を実現する環境づくり~パソナグループ事例~』
講演者:株式会社パソナグループ 常務執行役員  株式会社Pasona art now 代表取締役 大日向 由香里 
株式会社パソナグループ 常務執行役員 兼 HR本部長 金澤 真理氏

トップバッターでご登壇いただいた大日向氏、金澤氏の両名は、子育てと役員としての職務の両立を、現在進行形で体現しています。金澤氏は、2年ほど前からHR(Human Resources)部門役員として、人財育成プログラムの構築に取り組んでいます。講演では、パソナグループが現在実施している人材育成カリキュラムや研修プログラムをご紹介くださいました。パソナグループでは、社会変化へ対応できる社員を育てるため、複層的なスキルを身に付ける「ハイブリッドキャリア」を志向し、社員の「未来の選択肢を拡げる」ことを目指していると解説されました。

また、パソナグループでは2020年9月、本社機能一部を淡路島へ移転する計画を公表しています。大規模災害に対するリスクマネジメントが主な要因ですが、従業員のQOL(Quality of Life)向上も重要なミッションのひとつです。大日向氏からは、その淡路島移転プロジェクトの現状と計画について、説明がありました。現在、本部機能を担う社員約1,800名のうち、1,200名を淡路島へ移転する計画で、さらに現地にて多くの新規雇用を生み出す計画だと言います。実際、金澤氏は東京と淡路島の2拠点で「ハイブリッドワーク」を実践し、大日向氏は家族とともに淡路島への移住を果たしています。
事後アンケートでは、「パソナグループが目指す人事制度や育成方針、今後の淡路島でのワクワクする取り組みなどがイメージできる内容だった」「淡路島プロジェクトにおける自由な発想、実現のスピーディさに感銘を受けた」「役員からの生の声であり非常に参考になった」などの感想をいただきました。
講演後のQ&Aでは、「新しい挑戦や変化へ、なかなか社員がついてこない。変化に対応できる人材をどう育てるか? 社員に何を求めるか?」といった質問がありました。金澤氏からは、社員に何かを求める前に、トップや上層部が会社の方針をはっきり示すこと、さらにトップが社員へ直接メッセージを送る機会を増やすことが重要と回答し、また若手にもチャレンジの場を多く与えること、その際にはサポーターが伴走するような仕組み作りが大事ではないかと提案しました。
さらに、女性としてキャリアを積むために、特に大切にしている点は何かとの質問が。それに対し、大日向氏は「身近な人々に感謝の言葉を伝えることですね。特に家族に対して」と、朗らかに回答されました。

【スペシャル対談:リーダーシップ論】元ラグビー日本代表キャプテン × 元アップル人事総務本部長~勝つ組織には「大義」がある~
登壇者:慶應義塾大学 大学院 理工学研究科 特任教授 小杉 俊哉 氏 & 元ラグビー日本代表キャプテン
モデレーター:株式会社パソナグループ 常務執行役員  株式会社Pasona art now 代表取締役 大日向 由香里氏

続いて、元ラグビー日本代表キャプテンと、マッキンゼー社やアップル社などで人事部門役員の経歴を有し、多くの有名企業に人材開発・組織開発のコンサル経験を持つ小杉氏に、「真のリーダーシップとは?」「強い組織とは?」をテーマに、それぞれの経験に基づき、ざっくばらんにお話をいただきました。また、前セッションでスピーカーを務めた大日向氏にモデレーターとして参加いただきました。

自身はカリスマ性を持った強いリーダーではないと言い、君臨型・管理型より支援型のリーダーシップスタイルと分析します。「前任者の真似をしてうまくいかなかったこともあります。いろいろ試しながら、自分のスタイルを探し出しました」と元ラグビー日本代表キャプテン。小杉氏は、若かりし頃のご経験をもとに「地位や肩書やロジックでは人はついてこない、感情によって人は動きます。部長というマネジメントではなく、小杉俊哉個人に、どれだけ信頼を得られるかがリーダーシップだと学びましたね」と話します。強い組織・勝てる組織には必ずPurpose(大義)があり、それをリーダーがいかに腹落ち(納得)しているかが大事と話し、小杉氏は、組織のPurposeやVisionと日常業務、社員個人の動機との紐付けが上司の役割であるのではと応じました。

オンライン参加者から、リーダー以上に能力のあるメンバーへの接し方を尋ねられ、お二方ともに「弱みを見せる」点に言及しました。「素直に助けてくれ、教えてくれと頼ります。妬まずに、自分がコントロールできる態度や姿勢など、ここだけは負けないという部分を持つようにしました」、「私はそのメンバーとのコンタクトを増やすことに重きを置きます。弱みをさらけ出せるのは、実は強いリーダーの証です。弱みも含めて自己理解、自己承認ができなければ、他者理解・他者承認もできませんから」と応じました。

さらに会場参加から、グローバル展開ゆえのビジョンの浸透に苦労している件を吐露されると、小杉氏は自身の経験上、接触頻度を上げることが効果的と述べ、「人事の担当者が現地へ足を運び、海外のメンバーとの心理的な距離を縮める。もちろんWebを使ってでも大丈夫です」とアドバイスしました。
事後アンケートでも、「説得力があり、パワフル。ビジネスにもスポーツにも、またそれ以外にも共通する本質的な話がきけた」「きれいごとではない、生々しいリーダー体験談に引き込まれた。また小杉さんほどの人でも「弱みを見せる」ことを大事にされていることが意外。背伸びせず、自分に合ったリーダー像を確立していきたいと思った」と、熱のこもった感想をいただきました。

セールスフォース・ドットコムが取り組むカルチャー浸透と社員エクスペリエンスの向上、及び社員への成長支援
講演者:株式会社セールスフォース・ドットコム タレント・組織開発ディレクター 八幡 誠氏

続いてのセッションでは、日産自動車や日本マイクロソフトでのグローバルタレントマネジメント/HRBP/リクルーティングなどの経験を有する八幡氏から、株式会社セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース社)が推進するバリューベースの企業文化と、その文化を礎とする社員のエンゲージメント促進、社員への学びの支援について、講演いただきました。

セールスフォース社は、「信頼」「カスタマーサクセス」「イノベーション」「平等」という4つのコアバリューを掲げ、行動規範として創業当時から受け継いでいます。そうしたカルチャーを強固に浸透させるためには、テクノロジーとデータが不可欠であり、企業文化を定義づけるのは、社員のエクスペリエンスそのもの。エクスペリエンスを促すツールを用意してデータを収集。そのデータをもとに、さらなる改善を加えることで、人材に対するスマートな意思決定を可能にしていると言います。

実際には、カスタマーに提供しているプラットフォームを従業員向けにも活用し、従業員の生産性とエンゲージメントを高めています。さらにカスタマージャーニーの手法を社員に適用し、社員ジャーニーの段階によって、ターゲット層に対して、最適なタイミングで、最適なプログラムやメッセージが提供される仕組みを作り上げています。コラボレーションのためのツールや社員サービスのプラットフォームも用意され、それらはオープンで、常に効果が測定され、改良が繰り返されています。

続けて、「タレント・エクスペリエンス」についての紹介がありました。社員のセールスフォースにおけるライフサイクルや専門に合わせた成長を支援するため、こちらも包括的で体系的な研修プログラムやリーダーシップサーベイ、リーダー向けコミュニティなどが提供されています。講演では、リーダーシップやコーチング、チーミングなど個々のプログラムの具体的な内容が紹介されました。英語研修においては、goFLUENTのeラーニングやスコアの利用と、1on1などのブレンド型研修を併用しています。実行されたタレント・エクスペリエンスについては、90%の社員から好意的な評価を受けているとのことです。

事後アンケートでは、「育成が体系化されており、experience designがすばらしい」「具体的施策と効果、仕組みが丁寧に述べられ、非常に勉強になり、理想的な組織であることが伝わってきた」と、高い評価をいただきました。

講演後のQ&Aでは、「人材開発において課題、特に日本特有の課題はありますか」との問いに、八幡氏は「本当の意味での、オーセンティックなリーダーを育成できていない点です。ビジョンを語り、人をモチベートし、インスパイアし、時には弱みを見せる。そのような、真にセールスフォースが求めるリーダーシップの開発は相対的に日本の組織が苦手とする分野で、若い世代から手掛けないとならない。チャレンジでもあり、特効薬もない。現状の我々の課題ですね」と、率直に打ち明けていました。

グローバル人材育成のコミュニティの場として

最後にgoFLUENT 日本責任者でゼネラルマネジャーの大野 孝司より、ご挨拶をさせていただきました。goFLUENTは、単に語学研修を提供するだけではなく、『We provide everyone with EQUAL VOICE』をモットーに、英語という障壁をなくし、すべての人々がグローバルに戦えるスキルを獲得することをミッションとしています。さらに、企業の人事部門と協力し、グローバルな人材の育成も目指しています。

『goFLUENT Japanは○○の可能性を広げ 世界とつながる架け橋となる』がgoFLUENT Japan独自のPurposeです。人々が学んで成長して、夢を実現する支えになるため、今回のフォーラムのような企画や情報発信を続け、グローバル人材育成のコミュニティを作っていきたいと考えています。

講演者や出演者をはじめ、オンライン・オンサイトともに、今フォーラムには多くの方々にご参加いただきました。皆様には、多大なご協力をいただき、改めてここに感謝申し上げます。いただきました貴重なご意見は、今後に大いに活かしてまいります。

次は、恒例イベント『Accelerate Conference 2021』を2021年10月21日にin Paris&オンラインのハイブリッドで開催予定です。世界のリーダーたちが集い、互いにノウハウやトレンドを共有し合う、非常に有益な場になると思います。

今後のgoFLUENTにも、ぜひご期待ください。