2021年9月29日、goFLUENT株式会社(以下、goFLUENT)は、導入企業様の事例紹介として、ヘンケルジャパン株式会社とウェビナーを行いました。多くの参加者の皆様からの質問に都度答えながら、終始和やかに行われた模様をレポートいたします。

【イベント概要】
タイトル:
修了率93%達成、ヘンケルジャパンとgoFLUENTで取り組むエンゲージメントの高いオンライン英語研修 ~集合イベント・キャンペーンとの融合がその鍵を握る~

開催日時:2021年9月29日(水) 11:00~12:00

スピーカー:
ヘンケルジャパン株式会社 船田 麻悠子様 人事本部 タレントマネジメントマネージャー
goFLUENT株式会社 大野 孝司 ゼネラルマネジャー
goFLUENT株式会社 蘇靖 アカウントエグゼクティブ
(以下、ウェビナー内容)

ヘンケルおよびヘンケルジャパンについて

【ヘンケルについて】
1876年設立。世界125ヶ国に拠点を展開。従業員数は世界中に約53,000人(本社:ドイツ)。
接着技術事業部門、ランドリー&ホームケア事業部門、ビューティーケア事業部門の3つを展開。
 
【ヘンケルジャパン株式会社(以下、ヘンケルジャパン)について】
1954年設立。製造所と営業合わせて日本11拠点で展開。接着技術事業部門、ビューティーケア事業部門の2つを構え、約600名の社員を有す。
協力と意思決定力(社員への権限付与)の文化を醸成し、これから必要となる能力について社員のスキルアップを図り、社員が成長・発展していけるよう「自己学習」を促している。

ヘンケルジャパンでの学習に対する考え方

【社員への価値提供】

  1. ゲームチェンジャ―になる
  2. チームで挑む
  3. キャリアを自ら創り上げる
  4. 仕事を越える

上記4つのうち、3と4の価値を、自己学習を通して実現できるよう、環境を整備し以下3つのアプローチを行っている。

【タレント・マネジメントおよび戦略的枠組み】
学習を評価の枠組みの一環として考え、研修のニーズは社員と上司で話し合って決定する。
結果を踏まえ、今後の人材育成計画について上司・部下間で話し合ってもらい、必要な研修を申請してもらう。

ヘンケルジャパンでの語学研修のニーズと日本のビジネスマンの英語の課題

【ヘンケルジャパンでの語学学習のニーズ】
主にドイツ本社やメンバーとのやりとり、続いて海外のお客様と英語のやりとり。
 
【ヘンケルジャパンでの課題】
・メンバーが海外の会議で、内容は聞き取れるが自分の意見を発信してほしい。
・日本での活動を積極的に発信してほしい。
・海外で導入してあるものを日本に導入する際、現地のチームメンバーに事例情報収集をほしい。
・それができればメンバーの育成が進み、本人のキャリアの幅が広がる。
 
(以下、対談から抜粋)
ヘンケルジャパン船田様(以下、船田様):語学というスキルも大事ですが、まず英語に慣れて、自信をもって、パーフェクトな英語でなくても発信できる自信をつけてもらうこと。英語に慣れるという意味でも、英語学習はすごく重要です。
 
goFLUENT 大野(以下、大野):この課題は、どの企業様でも共通してみられると思います。弊社のメンバーも、基本的な英語力はあるのに自信がない、というのはよくききます。単なる語学力というより、場数や自信はとても重要だと考えています。

来月、弊社のインターナショナルのカンファレンスがオンラインで開催予定で、現在、世界各国から事例紹介やスピーカーを募っていて、日本のお客様にもご相談するのですが。英語で何百人の前でプレゼンしてほしいって言うと、やはり皆さん腰が引けてしまって。ちょっとハードルが高いと。そこが日本の、我々ビジネスマンの課題というか。これを解決しないとグローバルで戦えないと思うんです。

ヘンケルジャパンが導入しているプログラム 

goFLUENT導入の背景

導入前から、マンツーマン・対面式の英語研修(曜日、時間固定)を提供していたが、時間が不規則な営業の社員などは毎週決まった時間と場所で受講するのは難しいという課題があった。営業の社員に対しても、語学研修を提供できるようにと、2017年からgoFLUENTを導入。また、その前に中国のgoFLUENT・ヘンケル両社のリージョナル契約が結ばれたということがきっかけとなっていた。

【毎年の受講者数】

【2020年度学習実績】

受講者の部門別割合とオンライン学習の増加

船田様:当初の主な受講者は営業の社員でしたが、年々他の部門の受講者が増えています。業種問わず、自分の都合に合わせてレッスンやeラーニングをするというニーズが、一般的に増えている、というのを感じます。ほかの部門の社員も年々オンライン学習に移行してきています。goFLUENTのプログラムは、マンツーマンのレッスンにプラスしてeラーニングのコンテンツも受講できるメリットもあって年々増えているのかと思います。

視聴者より質問:バックオフィスの部門が飛躍的に増えているが何か特別なプロモーション施策などの結果か?
船田様:特に人事側からプロモーションなどはしていません。2017年の導入後、受講者から「これよかったよ」という評判が広まりはじめたのが大きいと思います。また、対面式はコストがかかってしまうので、それもあって、もともと対面式を受けていた社員がオンライン学習の方に流れてきているかもしれません。

視聴者による質問と回答

1.入社前、研修前の英語の基礎は必要か?

質問:入社前にどんな基礎力があるといいか。
船田様:弊社では、ポジションによって、入社時から英語が必要なところと、そうでないところがあるので、入社時に英語力は特に求めていません。ただ、弊社で一定以上のキャリアを積むと、本社とのやり取りが増え、英語のニーズが高まります。その中でgoFLUENTや他社の研修を通して基礎力をつけてもらう。また、研修だけでなく、実際に生かせるよう、業務でつかうチャンスを与えることも組み合わせています。

大野:それって本当に大事ですね。どんな企業でも、将来に備えて英語をやっているが、実際使う場がないと、モチベーションが続かない、もっと英語を使える会社に転職してしまうということも当然でてくるので。実際に活用・活躍の場をつくってあげるというのは本当に重要だと思います。


質問:goFLUENTの研修でより効果を得るためには、どんな基礎力があるといいか?
大野:もちろん基礎や最低限の英語力は大事だと思います。その上で、マインドの部分が非常に重要。「なぜ英語を学ぶのか」「自分はどういう風になりたいのか」。それを最初にイメージしてもらい、マインドをしっかり持つというのが成果が現れる上で非常に大きな肝だなと思います。弊社でも最初のキックオフでそれを皆さんに訊き、イメージし言葉にしてもらうことを行っています。

2.モチベーションをどう保つか

質問: オンライン研修で個々裁量に任せると、やらない人も出てくるのでは?どうやってやる気を引き出しているか?
船田様:導入して最初の2年くらいは個人でスタートして修了させる形だったので、実際に、修了できない社員もいました。それを解決するために、いくつかのアプローチをしています。

  1. 上司と部下で研修のニーズを話し合った上で受けてもらう。その時、上司から「会社負担での受講だから、こういう期待値がある」「これをやることで業務でこんなことができるようになってもらい、更に上を目指してもらいたい」を伝えてもらう。そのような上司・部下間の会話が大事だと思っています。
  2. キックオフイベントを開催し、自分だけじゃなく、周りにも仲間がいることを認識してもらう。今年は、中間地点でのイベントを企画しています。受講して3か月経過して、進め方のコツや、モチベーションをキープするコツを互いに共有しあってもらおうと。そんな企画をgoFLUENTの力を借りながら進めています。

 goFLUENT株式会社 蘇⦅以下、蘇(ス)⦆:キックオフイベントでは、人事本部のマネージャーさんからのメッセージで英語の重要性を認識していただいたり。実際の受講者のお声を聞いて、「英語を習得してどうなりたい」「いつまでにどうなりたい」という目標設定などをやったうえで、研修に臨んでいただきました。キックオフ以外にも様々なイベントを企画しながらサポートさせていただいています。

大野:先日、自動車業界の企業様の部長クラス以上の役員の方対象に研修を始めました。その時、社長がキックオフに登壇して、最初5分ほど、トップ自らメッセージを伝えてくださりました。「これは本気でやるのだ」という姿勢を見せることにも重要になってくると思います。

蘇(ス):また、goFLUENT側からの受講者のサポートとして、専属のLC(ラーニングコンサルタント)がいます。定期的に個別に電話やメールで連絡させていただき、なぜ勉強しなくなったのか、忙しいのか、2~3回受けてみたけど自信がなくなって挫折したのか、どうすればいいのかわからないなどのヒアリングから、ご本人のニーズに合わせて的確なアドバイスやサポートを行っています。

大野:モチベーションを高めるにあたって、弊社としては、まず環境づくりをして、みんなが最後までやるのだ、という動機づけをしていきたい。もちろん修了しなかったら自己負担というのも、一定の効果はあると思いますが、それは運用上の手続きも非常に面倒になってきます。本来、学習は、お金が惜しいからやるものではないと思うんです。そういったものに頼らずに皆さんが連携できるよう、人事の研修担当の方と話しながら企画を進めていっています。

質問:英語学習にアレルギーがある受講者に対するアプローチは?
船田様:キックオフで全員集めて、goFLUENTから「なぜ英語をやりたいのか?」きいていただくことで、アレルギーを緩和できると感じています。使い方などもそこで丁寧に説明してもらい、使いやすさを理解してから学習をスタートさせるなど、なるべくアレルギーを取り除ける環境づくりをしています。また、基本的に業務上にニーズがある社員が受講しているので、英語にアレルギーがあるとはいえ、英語のスキルを上げる必要性は本人も認識していると思います。そのモチベーションをどう保つか、という環境を整えています。

質問:新規受講者をどうふやすか?工夫など
船田様:基本的にニーズがある社員に向けて実施しているので、特に増やす工夫などしなくても、ニーズは自然とあがってくるというのを近年実感しているところです。ただ、弊社は、英語学習に限らず、自己学習というのを非常に大事にしています。業務上のパフォーマンスも大切ですが、「今の世の中は日々新しいことがでてくるので、自分磨きって大切だよね」と。なので、英語に限らず、いつでもどこでも学べる環境、デジタルラーニングには力を入れています。

質問:毎月の受講状況の確認や、受講されてない方にリマインドなど対応しているか?
船田様:goFLUENTからのマンスリーレポートをチェックして、あまりに受講率、進捗率の低い社員に対してはリマインドを送ったり、上司の方に状況を説明して、受講をプッシュしてくださいというのは送ったりしています。

蘇(ス):プッシュしないと勉強しない、というのはベストな方法ではないと思うのですが、上司の方や、直接関わる方たちからのお声掛けは、やはり効果的ですよね。

3.成果や効果の測定 :方法と実感

【成果の測定方法】
研修前と後に、goFLUENTのプログラム内のテストと、社内でも別途アセスメントを実施。

船田様:両方の結果をすべて、受講者の上司に最終的に報告しています。数字が上がったら、スキルは向上したと思いますが、逆に上がらなくても、日々の業務の中で効果が見えるということもあるので。数字がすべてではないと思いますが、情報として提供しています。
また、定期的に研修の効果をはかるためにも、受講者を出してくれた部門からの声を集めています。海外との意見交換が問題ないレベルになった、積極的に発言しようとする意欲がでた、最終的にプロモーションにつながったなど、数字で測れるかわからない部分があると感じます。そういう声を聞くと、絶対効果が出ていると思っています。

大野:TOEICやCEFRの点数だけでなく、本人の行動がどう変わったか、最終的に会社の実績やチームのパフォーマンスにどう影響がでたか、という点も測れるといいなと思います。自己申告だけでなく、上司やチームメンバーにヒアリングして、実際にどう行動が変わったのかをみていくのも重要と思っています。
 
質問:業務上で見られるレベルと、レベルチェックの結果に誤差を感じることはあるか?
船田様:弊社のアセスメントは簡単なスピーキングのテストを導入しています。その日の本人のコンディションによって数字に振れ幅が出ることもあるので、すごく話せるようになったのに数値に表れないこともあります。ですので、上司やチームメンバーからの、実際スキルが向上したと感じるか、チェックは必要だと思います。

大野:goFLUENTでのスピーキングのテストは、文法的に正しい英語で話しているか、というのも採点のポイントになっています。仕事上で英語ができるとか、説得できる、会議でリードできる、という人でも、言語的に正しい英語なのかというのはまた別の問題なので。英語で仕事ができる人でも、文法的に正しいという観点から採点すると、高い点数が採点されない傾向がでる、という現象もあります。

4.その他

質問:一人あたりの費用を教えてください。
大野:別途、個別に打合せさせていただきご提案させていただきます。

質問:goFLUENT以外にも導入している英語研修企業はあるか?
船田様:goFLUENT導入前から実施している、対面式マンツーマン、グループレッスンは継続して提供しています 。6ヶ月みっちり継続するのが難しいという社員もいるので、そういう人むけにトピックごとに半日のワークショップを企画し、外部の講師を招いて提供しています。特にニーズが多いのは、オンラインミーティングの英語のファシリテーションや、自分の意見を発信するなどのトピックです。

大野:弊社のオンラインのトレーニングにも、単発ではないのですが、1on1ワークショップというのがあります。90分、先生と1on1で、ミーティングのファシリテーションだったりネゴシエーションだったり、そういったトピックで学習するプログラムもご用意しています。

質問:オンラインのサプライヤーはgoFLUENTだけか?
船田様:英語研修についてのオンラインはgoFLUENTを採用させていただいております。

今後の課題やチャレンジなど

船田様:すでにキックオフなど様々な企画で受講者のモチベーションアップには取り組んでいますが、より、受講者がモチベーションを保ちながら自発的に受講して自分磨きに取り組んでいけるよう、環境づくりやしくみなどをgoFLUENTと協力しながら作っていきたいです。

大野:弊社も、6ヶ月間の研修をプロバイダーとしてご提供するのですが、それ以上に、人材育成やグローバル教育という点で戦略的なパートナーとして、今後もお手伝いしていきたいです。

ヘンケルジャパンが感じるgoFLUENTの価値 – 4年間goFLUENTを継続する理由とは

船田様:もともと営業職にも英語研修を提供したいという理由で導入し、実際に効果が出ているので、継続させていただいています。また、コロナもあり、今後、学習というものがデジタルに移行していくと思います。その中で、学習者が「自分の好きな時間に、24時間いつでも受講できる」というコンテンツを提供するのが、人事として重要になると考えています。goFLUENTのプログラムはそこにぴったりフィットするので、重宝させていただいています。

導入中・検討中の企業へアドバイス

船田様:いくらコンテンツが充実していても、ただ提供しただけだとなかなか受講してくれないというのはどうしても出てくる。提供したうえで、手間はかかりますが、モチベーションを保ってもらうような環境作りというのが、やはり重要だと思います。それを人事だけでやるのは結構難しいので、goFLUENTに協力していただきながら進めるのが大きなポイントと思っております。

最後に

今回船田様には、英語研修や人材育成関する取り組みについてご紹介いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。goFLUENTでは、今後も企業の人事部門や研修・育成ご担当の方向けにこういった有益な情報を積極的にお伝えして参ります。今後ともよろしくお願いいたします。

当日の録画ビデオ及び資料はこちら

殿岡紗衣子(Saeko Tonooka)
goFLUENT株式会社 マーケティングアシスタント


演劇の舞台スタッフ10年以上、英語コーチとして起業など、異色の経歴を経て、2021年goFLUENT入社。自身の経験を活かしつつ、お客様のグローバル人材育成支援を成功させるべく日々邁進している。