2021年11月18日、goFLUENT株式会社は、9月に戦略的パートナーシップ契約を締結した株式会社ライトワークス(統合型学習管理システム《LMS: CAREERSHIP®》を提供)とウェビナーを共同開催しました。 

キャリア自律や教育DX化推進をテーマに、多くの参加者の皆様を迎えて行われた模様をレポートいたします。

【イベント概要】
タイトル:LIGHTWORKS × goFLUENT 共同ウェビナー~キャリア自律や教育DX化推進のための語学研修のLMS統合~
開催日時:2021年11月18日(水) 11:00~12:00

【スピーカープロフィール】
ライトワークス株式会社:柴山 雄太氏 ビジネス開発チームチームリーダー/エバンジェリスト
goFLUENT株式会社:大野 孝司 ゼネラルマネジャー
 
【株式会社ライトワークス概要】
2001年に創業し、今年20周年を迎える。大手企業からの圧倒的な支持を誇るLMS(学習管理システム)やeラーニングのプロバイダー。

創業以来1500社以上の導入実績があり、上場企業売り上げトップ100社の47%でのシェアを誇る。
現在利用されている企業300社のうち50.4%が、売上1000億円を超え、エンタープライズに特化して展開。グループ全体の教育のプラットフォームとして国内No.1の実績を持つ。
 
このウェビナーでは、以下のような3つのセッションでお届けしました。

第一部:ライトワークス社 柴山雄太様

第二部:goFLUENT 大野孝司

第三部:Q&A

第1部:パーソナライズされたオンライン学習による「キャリア自律」や「教育DX化」の推進

最初に、ライトワークス社、柴山雄太様から、現在の日本の人材開発を取り巻く状況や、その中でのトレンドについてお話がありました。

まず現在の状況として、終身雇用が終焉したにもかかわらず、未だに自己学習の意識の低さ、OJT依存、キャリア形成意識の低さ、人材の流動性の低さなど国家構造に由来する問題があると指摘されました。その中で、HRテックや働き方改革、コロナなどにより、人事管理にプラスしてタレントマネージメントやラーニングマネジメントが求められてきたこと、日本では、従来OJTや対面研修がベースだったところが、オンライン・オンデマンド化の流れがあるとされました。

さらにコロナ以降に実施された多くのアンケートをもとに、従業員から企業に求める教育の要望としてオンライン化が非常に高まっている点を強調されました。

また、各社の取り組みとして、従来のメンバーシップ型・教育のコンテンツ重視の考え方から、キャリア自律やそれを促す仕組みづくりへと変化してきています。

このような流れの中で、従来のLMSに加えて、受講者が自律的に学習するという観点でLXPの要件を望まれるお客様がかなり増えているとされました。日本人は現在の業務に関わる内容以外は学ばない、キャリア的思想が足りない、学習する文化・習慣がない、と言われる中で、そのために、LMS、LXPをプラットフォームとして、一律ではなく、よりデータドリブンで個人に最適な情報を届けたい、レコメンドしたい、学び直しや学習文化を作っていきたい。という説明をされました。

また、自律学習を促進するためにライトワークス社が提案するソリューションとしてCAREERSHIPのご紹介がありました。機能の特徴として、

ダッシュボードで個人に最適な情報を届ける
キャリアパスの設定で、自身のキャリアパスに応じた学習を促進する
スキル管理で強み弱みを可視化し学習させる
成果管理でポイントを貯める仕掛け

などを挙げ、検索性が良く簡単に使えることにこだわって開発されたシステムで自律学習が促進されるということでした。

このあと、実際のCAREERSHIPを使用して、多言語学習可能なgoFLUENTとパートナーシップを組んで連携したシステムの紹介と、デモンストレーションがありました。今後、様々なオンライン研修サービスを導入すると学習履歴のサイロ化や分断が起こるが、LMSによって入り口と出口を統合管理することができると話されました。

最後に、LXPの運用を推進するその他のサービスとして、動画コンテンツの作成サービスや、学び放題などのサービスのご紹介がありました。

第2部:ランゲージ・アカデミー紹介

1. ランゲージ・アカデミー紹介

次に、goFLUENTゼネラルマネジャーの大野より、goFLUENTのサービスであるランゲージ・アカデミーの紹介がありました。 ランゲージ・アカデミーとは、その名の通り「語学の学校」です。グローバル企業における共通言語である英語をはじめ、10以上の言語が学べる社内語学アカデミーを「コーポレート・ランゲージ・アカデミー」と呼んでおり、ライトワークスのCAREERSHIPなど主要なLMSに載せて、企業内に広く学びの機会を提供するものです。

ランゲージ・アカデミーには、コンセプトとして、テクノロジー、コンテンツ、ヒューマンインタラクションという3つの柱があること、また、特徴として、1万以上のコンテンツから個人に合うものをレコメンドしてもらえること、インプットだけでなくアウトプットの練習もできること、グローバル会話クラスではgoFLUENTの世界中の学習者とクラスを受講できることなどを挙げました。

2. なぜ、ランゲージアカデミーなのか?なぜLMSに語学コンテンツを入れるべきなのか?

大野は、英語研修を導入する企業の間での共通の悩みとして、以下の3つを指摘しました。

  1. 同じ人材に長く研修を与え続けられないため、研修期間が終わると英語を使わなくなり、レベルが戻ってしまう。
  2. 英語を必要とする人は受講するものの、今後グローバル人材になり得るプールが確保できない。全体の底上げをしたい。
  3. 色々なプロバイダーから色々なプログラムを導入するため、研修や学びとは直接関係ない非生産的な活動や、オペレーションに非常に労力がかかる。

 上記の悩みに対する答えとして、以下の4つを提案し、今行われているグローバル人材育成の取り組みが本当にベストなのか考えてほしいと問いかけました。

 ≪ランゲージアカデミーを導入すべき4つの理由≫

 ①英語研修やLMS導入の投資効果を高める

英語を使わなければレベルが下がるのは当たり前で、そもそも英語や語学は継続し、生涯学習するもの。そのため、eラーニングで学びを継続させ、レベルを維持向上させること自体が投資対効果の向上となる。また、英語を日々学ぶために都度LMSにログインすると、英語だけでなくLMS上にある他のものを学んでみようかという、新しい学びを誘発する。

また、LMS上に学びや成長に関する有益な情報を発信すれば、それが従業員の目にとまるチャンスが高まる。だからランゲージアカデミーは、既存の英語研修はもちろんLMSの導入に大きな投資になり、投資効果を高める超優良なコンテンツとなる。

②アップスキル&リスキルの支援と、自律人財の育成

英語研修は一般的に、グローバル人材や業務に必要など、選ばれた人間だけに提供されている。選ばれない人間は英語を学ぶ意識が芽生えず、結果的にグローバル人材が枯渇していく。しかし、他の部署への異動の可能性や、AIやテクノロジーの発達で、仕事もなくなっていくと言われる中、外資に買収される可能性もある。

だから社員は自分で学んで成長し、自分の価値を高め、エンプロイアビリティを高める必要があるし、企業はそれを支援していくことが求められる。企業にとっても、社員の学習を支援することは、企業そのものの価値を高め、競争力を高めることであり、結果的に組織内の人材の流動性が高まったり、優秀な人材が獲得できるし、リテンションにも繋がる。

③真のグローバル化とダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン

企業のホームページに行くと、多くが、グローバル化、ダイバーシティを謳っているが、それだけだと、当事者意識がない社員の心には届かず、自分には関係ないと思われてしまう。

職種や立場、国籍など関わらず、グローバル人材になるチャンスは全ての社員に平等にあると組織内に示すこと。それがないと、真のグローバル化、ダイバーシティは実現しない。世界中の社員が障壁なくコミュニケーションできる、みんなが等しい声を上げられる、そのためにぜひ、社内ランゲージアカデミーを構築していただきたい。

④自己啓発制度の限界

どの企業にも自己啓発制度がある。しかし、この自己啓発制度こそが、この日本企業のグローバル化を阻んでいる大きな要因だと私は考える。調査によると、日本人は先進国の中で一番学ばない。英語は誰でも興味があり上達したいと思っているはずだが、やらない理由がいくらでも見つけられてしまう。だから、やろうと思ったときにLMSでワンクリックで始められる等の環境を作るということが本当に重要。実際、アメリカのIT企業DXCテクノロジーでは、ランゲージアカデミーをグローバルに展開して年間で4万時間が語学学習に費やされた。また、日本の製薬会社である大日本住友製薬も、goFLUENTのランゲージアカデミーを導入して、全社員3000人のうちの半分の1500人が英語学習をしている。自己啓発制度で、このような英語学習のムーブメントを作れるだろうか。

最後に大野は、goFLUENTのミッションである「EQUAL VOICE = 等しい声」に触れ、「語学によって、社内のコミュニケーションや取引先とのビジネスに障壁があってはならない。英語のせいで正当に評価されない等があってはならない。日本の全ての企業で、従業員一人一人が等しい声を持ち、誰もが自分の意見をグローバルで発信できるよう、お手伝いしていきたい」という想いを伝えました。

第3部:Q&A

質問①:大日本住友製薬で半分が利用していることに驚いた。何か利用者を増やす工夫や施策はあるのか。

回答:導入にあたって、お客様との連携、協力は欠かせない。キックオフイベント、使い方の説明会、英語学習キャンペーンやチャレンジ等のプライズの企画などで、学習者のモチベーションを高める工夫をしている。また、弊社のラ―ナーエンゲージメントチームが、学習者の方に効果的な使い方などの学習のTipsについて、月1回セミナーを行っている。来年からは新しい企画として、NHKの「ラジオビジネス英語」講師などもお招きして、goFLUENTの学習者向けに特別セミナーを主催するなど、皆さんのモチベーションを高める施策を行っている。
 
質問②:goFLUENTプラットフォームから学習した場合、学習履歴をライトワークスのプラットフォームにプッシュできるか。

回答:もちろん連携は可能。学習時間、コース、進捗などをプッシュし、ライトワークス上で管理することができる。

最後に

今回、柴山様には、日本の人材開発を取り巻く状況や現在のトレンド、そしてLMSやCAREERSHIPの可能性について大変有意義な説明をいただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。goFLUENTでは、今後も企業の人事部門や研修・育成ご担当の方向けに有益な情報を積極的にお伝えして参ります。2022年のgoFLUENTにも、ぜひご期待ください。

当日の録画ビデオ及び資料はこちら

殿岡紗衣子(Saeko Tonooka)
goFLUENT株式会社 マーケティングアシスタント


演劇の舞台スタッフ10年以上、英語コーチとして起業など、異色の経歴を経て、2021年goFLUENT入社。自身の経験を活かしつつ、お客様のグローバル人材育成支援を成功させるべく日々邁進している。